山口県の日本海側を走っていると、大変ににぎわっている場所がありました。
童謡詩人「金子みすゞ」の生まれた長門市仙崎。
古くから捕鯨で成り立っていた漁師の村です。
鯨に対する畏敬の念から鯨墓が存在するそうです。
優しさあふれる小さな海辺の街に生まれたみすゞさん。
小さないのちのを大切にしたみすゞさんのささやきが、潮風に乗って運ばれてきます。
幼少期を過ごした金子文英堂。
生誕100年を記念して 生家跡に造られ、記念館になっています。
生家を再現されたお部屋や展示室などがあり、
みすゞさんが育った仙崎、暮らした下関での貴重な資料が展示されていました。
金子文英堂内部。
みすゞの部屋
窓辺に向かう小さな机。
10年ほど前に「みすゞ」という舞台をこの地で公演しました。
その頃はまだ資料は少なく、街の役場の小さなお部屋に飾られているくらいでした。
町の方が大切にみすゞさんのこと語っていたのを覚えています。
その頃全くみすゞさんのことを知らなかったのですが、
優しくて、でもどこか強く心を締め付ける深い哀しみ、小さな物や、目に見えぬ物を大切にしたみすゞさんの詩が、涙が心ににじむようにじんわりとしみ込んできたのを思い出しました。
悲しくはかない人生でしたが、彼女の心の中の無限の想像の世界は、人生の短さでははかれない、
それはそれは美しく壮大な世界。
そこが大好きです。
かわいらしい下駄にまじってトシオさんの下駄が、、、。
すっかりなじんで、住民みたい。
実はトシオさんと出会ったのも、この「みすゞ」の舞台。
いつも兄弟のようだとみんなに言われる私たち。
作品や芸術についてわくわく語り合っているみすゞさんと弟の上山正祐さんとの感じに
なんだかとても親近感を覚えます。
お庭に咲いた雨にぬれるムクゲの花。
花言葉
「繊細な美くしさ」はみすゞさんのよう。
霧のような優しい雨が、懐かしい思い出とともに、しっとりと心を包み、
優しい時間を過ごすことができました。