お彼岸最後の日に、昨年亡くなられたオーガニック野菜の宅配「ファイン」の藤野さんのお墓まいりに行くことができました。
チェレステ楽団の音楽を愛してくださり、私たちを大変応援してくださっていた藤野さんに、新しいCD「ルピカの星」が完成したご報告に寄らせていただけないかと、前日に奥様にお電話しましたら、「明日はお天気も良く、お墓まいりに行こうと思っていたところだった」そうで、ご一緒させていただきました。お墓まいりに行くのに、山の上の方ですので、一人だとバスを乗り継いで半日がかりで行かなければならないそうで、チェレ号が大変役に立ちました。これも藤野さんのお計らいだったのでしょう。奥様がうれしそうにされていたので、私たちも大変嬉しかったです。

霊園には、桜の木がたくさん。ぽかぽか陽気に、一気にお花が花開きました。なんて美しい。
「お花の大好きだったのよ。」藤野さんのためにたくさんのお花をお供えする奥様の姿が、あんまり可愛くって、涙がこぼれそうになりました。

お花でいっぱい。えくぼの素敵な藤野さんの笑顔が心のなかに浮かんで、幸せな気持ちになりました。
「これからは、ワンネスの時代なんだよ~。みんなの心がが一つになるような、そんな歌をチェレステ楽団に1曲作って欲しいんだ。」藤野さんにリクエストしていただいたころ、自分は肺を悪くして、3ヶ月熱と咳で寝込んでいた時で、もう歌は歌えなくなるかもしれないと思っていました。そんな時にまた歌いたい、藤野さんに聞いてもらいたい。と思い、頭が朦朧とするなかで「みんな繋がっている」という歌を作りました。感謝の気持ちを込めたこの歌を歌うと涙がいつもこみ上げてきます。
思い返すと私の歌の人生には、たくさんの方々の助けがありました。中学校で音楽部に入った時から、神様のお導きのようにたくさんの人が助けてくださり、私にとって奇跡のような歌の人生を歩ませていただいています。小さい頃から人とうまくお話しするのが本当に苦手な私は、歌がなかったら生きていないかもしれません。そして藤野さんに出会えて、また歌の命をいただいたような気がして本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

藤野さんが大好きだったみかん農園にも寄らせていただきました。「ここのみかんは本当においしんだよ」去年、無農薬野菜で育ったみかんを藤野さんにいただいて感動し行ってみたいなあと思っていました。藤野さんは毎日のようにこのみかん農園に通っていたそうです。

ここ近年では、みかんが鹿や猪、鳥たちに食べられる被害で、葉っぱも幹も食べられて、実が育たなくなってしまったそうです。自然が少なくなって、この無農薬の農場にみんな集まってきてしまうようです。かろうじて残っているのは酸っぱいレモンの実だけ。大切なみかんは網をして育てているそうですが、、。自然栽培の農家さんは大変です。

藤野さんの奥様の笑顔に大変癒されました。いつも藤野さんがよくおしゃべりしていたので、なかなか奥様とお話する機会がなく、、。はじめて奥様とたくさんお話できました。心の本当に綺麗な方で、お話をしているだけで幸せな気持ちになりました。こんな素敵な奥様と人生を共にされていたなんて、藤野さんは幸せだったのだろうなあ。お二人の幸せな日々のお話が、本当に微笑ましく、春の光に包まれて藤野さんの愛した景色を眺める奥様の姿が美しくて、、、。こんな美しい人になりたいです。

旅立つ私たちのために、奥様が春色のちらし寿司お弁当を作ってくださっていました。なんて優しいお味、奥様そのものでした。そして信じられないくらい優しく、心を包み込んでくださった卵焼き。この卵焼きがあんまり美味しくて、トシオさんも私も涙が溢れて、泣きました。
藤野さん、奥様、本当にありがとうございました。