2年前、旅の中で出会った、風のサイトウさんの素敵なお誘いで、
九重にあります岡本陸郎美術館へ行きました。
夏の緑生い茂る九重の山の中に、真っ白な美しい美術館。
岡本陸郎さんの40年に渡るニューヨークで制作された作品を体験する事が出来ます。
8才の頃から日本画家の先生の教えで絵の基本を学び、26才にして、アメリカのニューヨークに渡り、様々な芸術に触れ、そしてそのどれにも属さず、独自の創造、創作の世界を切り開き、自然に混ざした自由で壮大な世界を開拓してきたそうです。
毎日違う日々を書き綴ったたくさんの絵が、広大な自然の中に生きていて、どの光景もひとつの地球の中の一部である事を教えて下さいます。自然の中の小さな花も虫も、ビルも、サラリーマンも、お友達も捨てられた空き缶も、みんな比べる事の出来ない地球の一部。
そして岡本さんのエッセイ集、「自由の風」の表紙にもなっている、動く石や、壁の展示には大変驚かされました。
この表紙の石は、セントラルパークにある石を型を取って制作されたそうです。
その制作は果てしなく、出来上がるまでの苦労は私には想像もつかないほどですが、それがあの本物のような石の重みにつながっているんだなあと思いました。
今日は、陸郎さんがニューヨークから戻られている際に、みんなで、映像を見たり、お食事をしたりする定期的に行われている集まりでした。
皆さん気さくな方ばかりで、はじめての私たちにも、大変親しくしてくださいました。
大変ありがとうございました。
”岡本陸郎~無垢の世界エッセイ集「自由の風」”が出版されたばかりでしたので、チェレステ楽団もお祝いに演奏させて頂きました。
教会のような天井の高い建物でしたのでよく響き、とても心地の良い空間でした。
岡本陸郎さんの作品に囲まれ、音楽で皆さんと交流することができ、この光景もまた、岡本陸郎さんの絵画の中のようで、不思議な時間でした。
何にも属す事なく、ただ一人「自由の風」に乗って、創造し続ける岡本陸郎さん。
純粋無垢にひたすら作品制作の実験の作業を連続して行ってきたそうです。
私も、音楽ではありますが、まさしく日々そのような感じで、岡本陸郎さんの言う実験という言葉が、心に大変響きました。
表現をする事の実験を繰り返し、それがうまくいく時もあれば、無茶をして体がぼろぼろになって、失敗してしまう事もあります。でもそこから生まれてくる何かを見たくて見たくて。それが本当に楽しい毎日。
何にも属さない、群れをなさない、人と争う事もなく、自分と向き合う日々。
つながりを大事にするのではなく、つながっているそのひとつひとつが、個々でどう生きてゆくか。
そしてそのエネルギーが、この世を動かす原動力になってゆく。
素敵な出会いを頂いた、夏のひととき。
風のサイトウさんはいつも不思議な風を送って下さいます。
チェレステ楽団の事をいつも気にかけて下さり、たくさんの励ましに、また頑張れそうです。
チェレステ楽団に魔法の粉をかけて下さる妖精さん。
本当にありがとうございました。