「岩屋岩蔭遺跡」とかかれた看板。
何だろうこんなところに、
と、とっても気になり寄ってみることに。
すると、巨石が山の斜面にゴロゴロしていてびっくり。
これはなんだかすごい遺跡なんじゃないかと、うろうろしていましたら、
若い青年に「どこから来たんですか〜」
と声をかけていただきました。
そしてお話をしていると、なんと今日はこの遺跡の発見者がいらっしゃるそうで、
青年はその方の付き添いで今日いらしていたようです。
そして今日は、「遠くへ行きたい」という旅番組の撮影が来るそうで〜
と、早速ぞろぞろやって来ました。
「岩屋岩蔭遺跡」からは縄文、早期・弥生時代の土器・石器、また江戸時代の古銭が出土したそうです。
言い伝えでは横暴を極めていた大狒狒(おおひひ)という怪物に人身御供を捧げていたことを聞いた源義仲が退治に向かい、この岩屋に籠り討伐されたそうです。
岩屋内に妙見神社(岩屋神社)が祭られていました。
そしてなんといつも閉められて入れないのですが、今日は中に入ることができました。
撮影陣に混じって、ぞろぞろ。
重ねられた巨石の隙間から光がちょうど差し込んでいます。
日光が差し込む時期と差し込まない時期があり、その光の当たり方で暦を知ることができるそうです。撮影のためお線香を炊いて、光を見えやすくしています。
こんな日に立ち会えるとは本当にラッキーです。
発見者の小林さんは
「その観測は、西洋のグレゴリオ暦よりも正確で、しかももっと昔からこんなに正確に暦を読んでいた文明があったんだよ〜。と説明してくれました。
下の方の巨石の真ん中に掘られた割れ目から岩屋を見ると、岩屋の側面に北斗七星の穴が掘られた痕がありました。
時期が来るとその上にちょうど北極星を見ることができるそうです。
そのときには穴の中にろうそくをともして、星の観測会をするそうです。
こちらの巨石の重なった穴の中からは、5月22日と7月22日の太陽がちょうど差し込む時間になると、太陽の光の点線が石に映し出されるように石が彫られているそうです。
「それがまたものすごく正確なんですよ。」
とそこにいらっしゃる石の彫刻家のかたが、教えていただきました。
それはあちらの岩屋よりすごいらしいです。
この彫刻の方、ノルウェーにアトリエがあるそうで、1年のほとんどはあちらにいらしているそうです。滅多にはお会いできない方のようです。そして、贅沢にもいろんな貴重なお話を聞かせていただきました。こういう石を見ると彫りたくてうずうずしてくるそうです。
「自分が危険だ!」
と言っているのが面白かったです〜。
撮影も終わり、まるで関係ない私たちもなんだか仕事を終えたような気持ちになって(何もしていませんが)、名残惜しくしていますと、お声をかけていただいた青年と彫刻家の方と、お昼をご一緒させていただくことになりました。
途中に小さな懐かしいお店に寄りました。
「ケイちゃん」という物を買うようです。
そして買い物を済ませお家にお邪魔させていただくことに。
すると彫刻家の方のご実家はお寺でいらっしゃいました。
急に押し掛けてすみません。
これがケイちゃん。鶏肉のことですね。
たれの味がしみ込んで焼くだけでおいしい料理になります。
この辺では誰でも知っているそうです。
青年に作っていただきました。
おいしかった〜。
ごちそうさまでした。
妹が日本画家というお話をしましたら、お寺の中を案内していただきました。
お御堂の天上一面に絵が描かれていました。素晴らしいです。
こちらのふすまには日本画が描かれています。
お寺に咲いているお花や鳥たちを描いていただいたそうです。
とても気持ちのいい風が吹き抜けるお部屋で、いろんなお話を聞かせていただきました。
お寺のお話、ノルウェーでのお話、石のお話、
放浪中の私たちにとって、貴重な生きるヒントになりました。
あんまり楽しくて、すっかり居座ってしまって、ごちそうにまでなって、
感謝の気持ちでいっぱい。
お別れするのも寂しくなります。
本当に素敵な時間でした。
出会いって不思議。
どこで何があるか分かりません。
彫刻家の方、今岐阜の湖の近くにいろんな方を呼べるようなお家を作っているそうです。
出来上がったらお祝いに演奏させて下さいと、約束をし、お別れしました。
また、ここへくる楽しみが増えました。
巨石群の大きな引きつけの力で、素敵な出会いがありました。
穏やかな水の流れのように、今日は時間に身を任せ、ゆっくりした時を感じました。
本当にありがとうございました。