父が昔よく遊んでいた山のある小松というところへゆきました。
なにやら山の上の方に小さな薬師堂があるそうです。
途中、近所のおばさんに行けるかどうかを聞いたら、最近薬師講なるものがあったので、道も整備されて今いいよ〜。お参り行っておいで。
と言われていたので、張り切ってゆくことに。
木漏れ日がきれい。
森林浴。いい香り。
父の子供の頃はこの辺り草原で、駆け回って遊んでいたそうです。今は草木がじゃんじゃか育っています。山の中に水路の洞窟や民家の石垣が残され、一つの集落があったようです。神社もお寺も病院もあったそうです。みんな村を出て行って、忘れ去られた緑の村。
ずんずん進んでゆくとだんだん険しくて、本格山登りのよう。道が整備されて〜って。ロープは張っていたけれど。プチクライミング。
ぐるぐるぐる。緑が迫ってきます〜。
つきました〜。大きな岩の狭間に、これは祠というのでしょうか。人が5,6人座ったらいっぱいになる程の大きさです。
建物の中には小さなやさしいお顔をした薬師の像がありました。「おんころころころ せんだり またおに そわか」というお札が張られており、何回も繰り返し唱えるそうです。集落の人は代々薬師さまを大事にしてきたようです。祖父は公務員だったそうですが薬についても詳しく、昔はお家で薬草を調合していたそうです。今では私の姉がハーブを庭中に植えて体調に合わせてお茶を入れてくれます。DNAでしょうか。
山を下ると津房川のせせらぎが。西日に照らされて幻想的です。
もちろん川にも立ち寄ります。
ススキが金色に光って美しい。岩の上で父がぼんやり川を眺めています。
子供の頃にすっかり戻られてしまっています。
この岩の下で雨が降ると雨宿りをしていたそうです。
山や川でいっぱい遊んでいた少年時代、たいそう楽しかったのでしょう。
山や川がお庭のようなものでしたから。
なんだかうらやましくなります。
そんな父に育てられた私も結構野生児です。山も岩場もなんのその。家族でよくキャンプに行きました川で一枚。
父の思いでのいっぱい詰まった安心院町。
駆け回っていた子供の姿が目に浮かぶようです。
まだまだ色々あるそうですが、父のふるさとめぐりの旅もおしまい。
安心院、その名の通り本当に心安らぐ町です。是非訪れてみて下さい。