山口県を離れる前に、山口市のサビエル記念聖堂へ、お祈りに行きました。
でももう遅い時間でしたので、聖堂は閉まっていましたが、聖なる土地の安らぎを感じることが出来、心静かにお祈りが出来ました。
聖堂は再建されたもので、モダンな建築。
初代の聖堂は、ザビエルの生家で、スペインのナバラ州パンプローナにあるザビエル城を模して建てられたものだったそうです。市民にも広く親しまれていましたが、1991年(平成3年)9月5日に失火により全焼し、イタリア人神父のコンスタンチノ・ルッジェリと建築家ルイジ・レオニのデザインによって再建されました。
初代聖堂の面影をほとんど残すことなく再建された聖堂ははじめ、初代の聖堂の姿に慣れ親しんできた市民から異論が起こったそうですが、山口市の景観にあっているとのことで、現代にも通じる建築として憩いの場となっているそうです。
前の建築も見てみたかった〜。
フランシスコ・サビエルの像
初めに山口へ訪れたときには布教に失敗しましたが、再度訪れた際、布教の許可を得、数百人の方が信者となりました。
山口の領主「大内義隆」は京都の生活に憧れ、文芸を奨励し、キリスト教も擁護しました。しかしサビエルが山口から豊後(大分)へ足を向けた十数日あとに、家臣の陰謀により切腹に追い込まれたそうです。そして山口に京都文化と西洋文化とを築いた大内一族も、再び日本史の上にその名を現わすこともなく姿を消したそうです。
マリア観音さま。
キリシタン禁止令の弾圧によりその後、信徒は悲劇の一途をたどることになりますが、戦後、元藩主の毛利家によってカトリックへの祈りは途絶ることなく、今にいたり守られ続けています。
山口県にはたくさんの隠れキリシタンの遺跡が残されているそうです。
ここへは8年ほど前に「みすず」というミュージカルに出演したときに、山口県を訪れた際、出身の恩師の案内で訪れたことがあります。
聖堂の中のステンドグラスがきれいで、感動したのを覚えています。
その時にはキリスト教というものが遠い存在でした。
綺麗で美しい世界にただただ憧れる思いでした。
ルルドのマリア様。
たくさんの蝋燭の火が灯されていました。
優しいまなざし。永遠の愛。
今こうしてまたザビエル記念聖堂を訪れることになり、また違った思いで見つめることができました。
こうした場所に訪れると、いつも考えさせられます。日本人とキリスト教。異国の宗教を信じる事で迫害を受けてきた歴史。またキリスト教自身も良い歴史ばかりではありません。
でもそこに日本人が忘れてしまっていた、「愛」と呼んでいる思いやりのこころ、があったのでしょう。
どんなことがあっても何にも変えることが出来なかったキリシタンたちの意思が感じられます。
その遺跡には悲しみを含みながらも、不思議と憎しみの影はまるで無く、本当に純粋で優しくて、、
確かに愛を感じます。